子どものころの記憶や感情が制作のエネルギーになることは多い 子どもが描きたい と思ったことはなくて 子どもが何かを象徴しているから描いている 他の絵に関しても同じで そのものを描いているつもりはない 個人的なことを描いているというと 日記みたいですね と言われるのだけど そうではないのです
この絵は今働いている施設に入ってきた子どもだ 小学一年生の男子 ジェームス・ブラウンの映画を観に行ったちょっと後に入所してきた 腰の入りかたがJBに似ていた エネルギッシュで落ち着きがなくて 机に飛び乗るし 授業中じっと座ってるのが大変だった
記憶を頼りに描く 似ている時もあるし 全然似てない時もある これは結構似ていると思う いい絵になれば似てなくてもいいんだけど 似ているのが描けるとやっぱり嬉しい 記念写真みたいに決まった顔は描きたくないと思ってるんだけど なかなかうまくいかない これは動きを含ませることができたと思ってて 自分では気に入りの一枚
顔が燃えているので「怖い」とか「夢に出そう」と言われることが多い 意識的に描いたわけではなくて 踊っている彼の姿を描きたかった所に 炎のイメージがたまたま浮かんできて重なった 偶然なのか必然なのか解らないけれど 明るいイメージで描き始めたんだけど 全然違う方向に進んでしまったので もう何枚か描きたいと思っている