美術を知らなかったころ

初めての油絵が出てきました。

高校一年生のとき授業で描いたものです。

今描いているものとほとんど変わらないのに驚いたけど、

今のスタイルは習ったことをできるだけ使わないで、

もともと持っている自分の力を使って描いているのだから

当然といえば当然です。

下手だから何度も捨てようと思ったし、

特に思い入れもないのに、なぜか捨てることができなかったのは

無意識に自分の可能性を感じていたのかもしれません。

物心ついたときに岩手県に住んでいたせいか、自然の多い環境が好きです。

土のないところで生活が嫌で庭付きの借家で雑草に囲まれて暮らしています。

でも、絵を描くなら人工物にあふれた都市の景色がいい。

中学の授業で林の中を描いたとき、自然は好きだけど自分には描けないと思いました。

理由は忘れてしまったけれど、実物には叶わないようなことを感じたんだと思います。

そこで高校の授業で油絵を描くことになったとき、

自然のものが一切入らない風景を描こうと思ってこの場所を選びました。

校舎の一角でコの字になっていた場所だったと思います。

高校生活は鬱々としていたので当時の気持ちが映り込んでいるような気もします。

描いているとき、初めて手にしたペインティングナイフを使うのが楽しかったこと、

地面に敷き詰められたブロックのようなものをどう表現したらいいかわからなかったことを憶えています。

当時はまだ画集も持っていなかったし、展覧会を見に行くこともありませんでした。

まだ美術を知らない頃に描いた絵です。

所沢西高校

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この記事を書いた人

i am painter
my drawing is poetry
image personal primitive memory

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